治療記録・経過・患者体験談の投稿型サイト

2025年8月
  • 整形外科と脳神経外科、ヘルニア治療の違い

    医療

    腰や首の椎間板ヘルニアの治療において、中心的な役割を担うのは「整形外科」と「脳神経外科」です。どちらもヘルニアの手術を手がける診療科ですが、その成り立ちや得意とする領域、そして治療に対するアプローチには、いくつかの違いがあります。どちらの科を選ぶべきかを知るために、それぞれの特徴を理解しておきましょう。まず、「整形外科」は、骨、関節、筋肉、靭帯、末梢神経といった「運動器」全般を扱う、非常に幅広い領域をカバーする診療科です。椎間板ヘルニアも、背骨という運動器の構造的な問題によって引き起こされるため、その診断と治療は、整形外科の重要な柱の一つです。整形外科の治療アプローチは、まず「保存療法」を基本とすることが多いのが特徴です。薬物療法(痛み止め、筋弛緩薬など)、理学療法(リハビリテーション)、装具療法(コルセットなど)、そして神経ブロック注射といった、手術以外の方法を駆使して、症状の改善を目指します。そして、これらの保存療法で効果が見られない場合や、麻痺の進行などが見られる場合に、最終的な選択肢として「手術」を検討します。整形外科の中には、さらに専門分化した「脊椎外科」という分野もあり、より高度で専門的な治療を提供しています。一方、「脳神経外科」は、その名の通り、脳と脊髄という「中枢神経」を主に扱う診療科です。ヘルニアによって圧迫される神経そのものに着目し、その機能をいかに守り、回復させるか、という視点からのアプローチを得意とします。そのため、脳神経外科では、顕微鏡を用いた、より繊細で精密な手術手技(マイクロサージェリー)が発達してきました。治療方針としては、しびれや麻痺といった神経症状が強い場合や、画像診断で明らかな神経の圧迫が見られる場合に、比較的早期から手術を提案することも少なくありません。特に、脊髄そのものが圧迫されている頸椎のヘルニアや、脊柱管狭窄症、あるいは脊髄腫瘍といった、より重篤な病気との鑑別診断においては、脳神経外科の専門性が非常に重要となります。結論として、どちらの科が優れているというわけではありません。一般的な腰痛や軽度のしびれであれば、まずは保存療法を基本とする整形外科へ。麻痺が強い、あるいは手術を積極的に考えているのであれば、脳神経外科に相談してみる、というのも一つの考え方です。

  • 女性特有の下腹部痛、婦人科へ行くべき時

    医療

    女性にとって、「下腹部痛」は、月経に伴う痛みなど、比較的経験することの多い症状かもしれません。しかし、その痛みの中には、婦人科系の病気が隠れている可能性があり、「いつもの痛みだから」と見過ごすことは危険です。特に、月経周期との関連性や、不正出血の有無は、婦人科を受診すべきかどうかを判断する上で、非常に重要なサインとなります。まず、多くの女性を悩ませるのが「月経困難症」です。月経中に、下腹部痛や腰痛が、日常生活に支障をきたすほど強い場合を指します。鎮痛剤でコントロールできる範囲であれば、様子を見ることも可能ですが、痛みが年々ひどくなっている、あるいは市販薬が効かなくなってきた、という場合は、その背後に「子宮内膜症」や「子宮筋腫」といった病気が隠れている可能性があります。子宮内膜症は、本来、子宮の内側にあるはずの内膜組織が、卵巣や腹膜など、子宮以外の場所で増殖し、月経のたびに出血と炎症を繰り返す病気です。強い月経痛に加え、性交痛や排便痛、そして不妊の原因にもなり得ます。次に、月経と月経の中間、つまり「排卵期」に起こる下腹部痛(排卵痛)も、よく見られる症状です。通常は1~2日で治まりますが、痛みが非常に強い場合は、何らかの異常が考えられます。そして、最も注意が必要なのが、「不正性器出血」を伴う下腹部痛です。月経以外の時期に、予期せぬ出血がある場合は、子宮頸がんや子宮体がん、クラミジアなどの性感染症といった、様々な病気の可能性があります。また、妊娠の可能性がある女性が、激しい下腹部痛と出血を経験した場合は、「異所性妊娠(子宮外妊娠)」の破裂や、「切迫流産」といった、緊急性の高い状態を考えなければなりません。これは、命に関わる危険性があるため、一刻も早く産婦人官を受診する必要があります。さらに、突然、片側の下腹部に、ねじれるような激しい痛みが現れた場合は、「卵巣嚢腫の茎捻転」が疑われます。これは、卵巣にできた嚢腫が、根元からねじれて血流が途絶えてしまう状態で、緊急手術が必要です。このように、女性の下腹部痛は、多様な顔を持っています。いつもの生理痛とは違う、何かおかしいと感じたら、迷わず婦人科の専門医に相談してください。

  • つわりと口内炎のつらい関係を乗り越えた私

    医療

    私の初めての妊娠は、喜びと同時に、想像を絶する「つわり」との戦いの始まりでもありました。食べ物の匂いを嗅いだだけで吐き気がこみ上げ、一日中、船酔いのような状態が続く。食べられるものは、冷たいそうめんか、クラッカーくらい。そんな日々が続いていた妊娠8週目の頃、追い打ちをかけるように、新たな敵が現れました。口内炎です。最初は、舌の先に小さな白い点ができただけでした。しかし、それは瞬く間に数を増やし、頬の内側や歯茎にまで、いくつもの口内炎が広がっていったのです。一つでも痛いのに、それが複数となると、もはや地獄でした。ただでさえ食べられるものが限られているのに、口に入れるもの全てが、傷口に塩を塗り込むような激痛を伴います。醤油やソースの味はもちろん、お米の粒が当たるだけで、涙が出るほどしみました。水分を摂るのすら億劫になり、脱水気味になる悪循環。夫が心配して、栄養をつけさせようと作ってくれた温かいスープも、その湯気だけで吐き気を感じ、一口も飲むことができませんでした。つわりの気持ち悪さと、口内炎の痛み。このダブルパンチに、私の心は完全に折れてしまいました。先の見えない不調に、「どうして私だけこんなに辛い思いをしなければならないの」と、トイレで吐きながら、一人で泣いた夜もありました。そんな私を見かねて、夫が薬局で、妊婦でも使えるというビタミン剤と、刺激の少ないマウスウォッシュを買ってきてくれました。そして、食事も、痛くてもなんとか食べられる、味のないゼリーや、冷たい豆腐、ヨーグルトなどを、色々と試してくれました。すぐに劇的な改善があったわけではありません。しかし、ビタミン剤を飲み始め、口の中を清潔に保つことを心がけ、そして何より、夫の支えがあったことで、私は少しずつ前を向くことができました。つわりのピークが過ぎる妊娠14週頃には、あれほど私を苦しめた口内炎も、いつの間にか数を減らし、痛みも和らいでいきました。あの経験は、妊娠というものが、決して幸せなだけの時間ではないという現実と、それを乗り越えるためには、周囲の理解とサポートが不可欠なのだということを、私に教えてくれました。

  • 寝違えた直後に絶対してはいけないこと

    知識

    朝、首に激痛が走り、寝違えてしまったと気づいた時、多くの人が反射的に、そして良かれと思ってやってしまう行動があります。しかし、その行動が、実は症状を悪化させ、回復を長引かせる原因になっていることが少なくありません。寝違えた直後の急性期に、絶対にしてはいけないことを覚えておきましょう。まず、最もやりがちで、最も危険なのが、「痛い部分を無理に動かす、ストレッチする」ことです。寝違えは、首周りの筋肉や靭帯が、微細な断裂を起こし、炎症を起こしている状態です。例えるなら、足首を捻挫しているのと同じです。捻挫した足首を、無理やりぐるぐる回したり、伸ばしたりする人はいません。首も同様で、炎症を起こしている部分を無理に動かすと、傷ついた筋繊維をさらに引き裂き、炎症を悪化させてしまいます。痛みが許す範囲で、最も楽な姿勢を保ち、安静にすることが第一です。次に、「痛い部分を強く揉む、マッサージする」ことも厳禁です。痛いところを揉むと、血行が良くなって楽になるような気がするかもしれませんが、それは大きな間違いです。急性期の炎症が起きている時に、外部から強い刺激を加えると、炎症反応がさらに助長され、腫れや痛みが増してしまいます。また、素人によるマッサージは、筋肉の深い部分を傷つけたり、神経を圧迫したりする危険性もあります。そして、「温める」行為も、発症直後は避けるべきです。お風呂で温かいお湯を首にかけたり、温湿布を貼ったりすると、血管が拡張して血流が増加し、炎症がさらに広がってしまいます。寝違えた直後の24時間から48時間は、炎症のピークです。この時期の鉄則は、「安静」と「冷却」です。痛みが強い場合は、冷湿布を貼ったり、タオルで包んだ保冷剤や氷嚢で、痛む部分を15分程度冷やしたりするのが効果的です。炎症を鎮め、内出血や腫れを最小限に抑えることができます。痛いからと焦って何かをするのではなく、まずは何もしないで休ませてあげること。それが、回復への一番の近道なのです。

  • 擦り傷の痛みを和らげる応急処置

    医療

    転んで膝を擦りむいた瞬間、ジンジン、ヒリヒリとした痛みが襲ってきます。特に、子どもにとっては、その痛みはパニックを引き起こすほどのものです。傷の手当てをする前に、まずはこのつらい痛みを少しでも和らげてあげることが、落ち着いて処置を進めるための第一歩となります。家庭でできる、簡単で効果的な痛みの緩和方法をいくつかご紹介します。まず、最も手軽で効果的なのが、「傷口を冷やす」ことです。痛みは、傷ついた部分の炎症反応によって引き起こされます。冷やすことで、血管が収縮し、炎症や腫れを抑えると共に、神経の感覚を一時的に麻痺させ、痛みを和らげることができます。具体的な方法としては、清潔なガーゼやタオルで保冷剤や氷を包み、傷口の周りに優しく当てます。ただし、直接氷を当てたり、長時間冷やし続けたりすると、凍傷のリスクがあるため、1回15分程度を目安にしましょう。傷口を水道水で洗浄する際も、少し冷たいと感じるくらいの水で流すと、洗浄と冷却が同時にできて一石二鳥です。次に、傷を「乾燥させない」ことも、痛みの軽減に繋がります。傷口が乾燥すると、神経の末端が空気に晒されて、ヒリヒリとした痛みが強くなります。洗浄後、ワセリンなどの軟膏を塗ったり、ハイドロコロイド素材の絆創膏(湿潤療法用の被覆材)で覆ったりすることで、傷口を潤った状態に保ち、空気の刺激から守ることができます。この湿潤療法は、痛みを和らげるだけでなく、傷の治りを早め、跡を綺麗にする効果も期待できます。そして、意外と見落としがちなのが、「傷口を心臓より高い位置に保つ」ことです。例えば、腕の擦り傷であれば腕を上げる、足の擦り傷であれば横になってクッションなどの上に足を置く、といった具合です。これにより、傷口への血流が緩やかになり、ズキズキとした拍動性の痛みを和らげることができます。これらの応急処置は、あくまで一時的な痛みの緩和策です。痛みが非常に強い場合や、長時間続く場合は、傷が深い、あるいは感染を起こしている可能性も考えられます。我慢せずに医療機関を受診し、適切な鎮痛薬の処方など、専門的な治療を受けるようにしてください。

  • その腰痛、ヘルニアではないかもしれません

    医療

    腰に痛みや、足にしびれを感じると、多くの人が「ヘルニアになったのではないか」と心配します。しかし、同様の症状を引き起こす病気は、椎間板ヘルニア以外にも数多く存在します。正確な診断を受け、適切な治療を開始するためには、ヘルニアと症状が似ている、他の病気の可能性も知っておくことが重要です。ヘルニアと最も間違えやすい病気の一つが、「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」です。これは、加齢などによって、背骨の中にある神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫される病気です。足のしびれや痛みが主な症状ですが、ヘルニアとの大きな違いは、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という特徴的な症状が現れる点です。これは、しばらく歩くと足が痛くて歩けなくなり、少し前かがみになって休むと、また歩けるようになる、というものです。比較的、高齢者に多く見られます。次に、「腰椎すべり症・分離症」も、腰痛や足のしびれの原因となります。これは、腰の骨(腰椎)が、前後にずれてしまう(すべり症)、あるいは疲労骨折を起こしてしまう(分離症)状態で、神経を圧迫することがあります。若い頃にスポーツを熱心に行っていた人に見られることもあります。また、お尻の筋肉である梨状筋が硬くなることで、その下を通る坐骨神経が圧迫される「梨状筋症候群」も、ヘルニアとよく似た、お尻から足にかけての痛みやしびれ(坐骨神経痛)を引き起こします。長時間のデスクワークや運転などで、同じ姿勢を続ける人に起こりやすいと言われています。さらに、見逃してはならないのが、内臓の病気です.例えば、「尿路結石」は、背中から脇腹、下腹部にかけて、突然の激しい痛みを引き起こします。「大動脈解離」や「腹部大動脈瘤」といった、血管の病気も、腰に強烈な痛みをもたらすことがあります。また、がんが背骨に転移した場合や、膵臓がん、婦人科系の病気などが、腰痛の原因となることもあります。安静にしていても痛みが和らがない、夜間に痛みが強くなる、体重減少や発熱を伴うといった場合は、これらの内臓疾患の可能性も考え、速やかに医療機関を受診する必要があります。

  • 妊婦が口内炎になりやすいのはなぜか

    知識

    妊娠という、喜ばしくも神秘的な体の変化。しかし、その過程で多くの妊婦さんが、これまで経験したことのないような、様々なマイナートラブルに見舞われます。その中でも、地味ながらも非常につらく、食事や会話の楽しみを奪ってしまうのが「口内炎」です。なぜ、妊娠中はこんなにも口内炎ができやすくなるのでしょうか。その背景には、妊娠期特有の、ホルモンバランス、免疫力、そして生活習慣の劇的な変化が、複雑に絡み合っています。まず、最も大きな影響を与えているのが、「ホルモンバランスの変動」です。妊娠すると、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が、非妊娠時とは比較にならないほど増加します。これらのホルモンは、胎児を育むために不可欠ですが、一方で、母体の様々な部分に影響を及ぼします。口の中も例外ではなく、ホルモンの影響で歯肉の血管が充血しやすくなったり、特定の歯周病菌が繁殖しやすくなったりして、歯肉炎を起こしやすくなります。この口内環境の悪化が、口内炎の発生にも繋がるのです。次に、「免疫力の変化」も関係しています。妊娠中は、母体が胎児を「異物」として攻撃しないように、免疫機能が意図的に抑制される傾向にあります。この免疫力の低下により、普段なら問題にならないような、口の中の常在菌や、外部から侵入したウイルスに対する抵抗力が弱まり、口内炎ができやすくなると考えられています。また、妊娠初期の「つわり」も、大きな引き金となります。吐き気や嘔吐によって、食事が偏りがちになり、特に、口の粘膜の健康を保つために不可欠なビタミンB群が不足しやすくなります。嘔吐によって、強い酸である胃酸が口の中に逆流し、粘膜を荒らしてしまうことも、直接的な原因となります。さらに、妊娠中の「ストレス」や「睡眠不足」も、自律神経のバランスを乱し、免疫力を低下させる要因です。このように、妊娠中の口内炎は、単一の原因ではなく、ホルモン、免疫、栄養、生活習慣といった、いくつもの要因が重なり合って発生する、いわば「妊娠期特有のサイン」なのです。

  • 口内炎予防のために妊婦が摂るべき栄養素

    生活

    妊娠中に繰り返しできる、つらい口内炎。その発生を未然に防ぐためには、体の内側から口の粘膜を健康に保つための栄養素を、意識的に摂取することが非常に重要です。特につわりなどで食事が偏りがちな時期だからこそ、どのような栄養素が必要なのかを知り、工夫して食事に取り入れていきましょう。口内炎の予防と改善に、特に重要な役割を果たすのが、「ビタミンB群」です。ビタミンB群は、お互いに協力し合って働くため、単体ではなく、グループとしてバランス良く摂ることが大切です。その中でも、特に意識したいのが、「ビタミンB2」「ビタミンB6」、そして「ビオチン」です。ビタミンB2は、「発育のビタミン」とも呼ばれ、皮膚や粘膜の成長と再生に不可欠です。これが不足すると、口内炎や口角炎、舌炎などが起こりやすくなります。豚肉やレバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品などに豊富に含まれています。ビタミンB6は、タンパク質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康維持に関わるほか、免疫機能を正常に保つ働きもあります。また、つわりの症状を緩和する効果も報告されています。まぐろやかつお、鶏肉、バナナ、さつまいもなどに多く含まれます。ビオチンも、皮膚や粘膜の健康を維持するために重要なビタミンです。レバーや卵黄、ナッツ類、きのこ類などに含まれています。これらのビタミンB群に加え、「ビタミンC」も積極的に摂りたい栄養素です。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けて皮膚や粘膜を丈夫にするほか、ストレスへの抵抗力を高め、免疫機能をサポートする働きがあります。パプリカやブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなどに豊富です。また、粘膜の材料となる「タンパク質」や、細胞の生まれ変わりを助ける「亜鉛」も、健康な口内環境には欠かせません。つわりで食欲がない時でも、これらの栄養素を含む、豆腐やヨーグルト、バナナなどを、少量でも口にするよう心がけてみてください。食事だけで十分に摂取するのが難しい場合は、サプリメントの活用も一つの方法ですが、その際は、必ず事前に産婦人科の主治医に相談し、妊婦向けの安全性が確認された製品を選ぶようにしましょう。

  • 溶連菌のかゆみに耐えた私の闘病体験

    医療

    あれは、息子が5歳だった冬のことです。保育園から帰ってくるなり、「喉が痛い」と言い、みるみるうちに熱が39度まで上がりました。翌朝、小児科を受診すると、喉の検査で「溶連菌陽性」との診断。その日の夕方から、息子の体に異変が現れ始めました。首筋から胸にかけて、細かい赤い発疹が、まるで鳥肌が立ったかのようにブワッと広がってきたのです。そして、それに伴って始まったのが、猛烈な「かゆみ」との戦いでした。最初は、時々ポリポリと掻いている程度でしたが、夜になると、そのかゆみはピークに達しました。寝ている間も、無意識に全身を掻きむしり、「かゆい、かゆい」とうなされて目を覚ます。その姿は、見ている親としても本当につらいものでした。処方された抗生物質はきちんと飲ませていましたが、かゆみに対する直接的な薬は出ていなかったため、私たちは家庭でできる限りの対処を試みました。まず、体を温めるとかゆみが増すと考え、お風呂はぬるめのシャワーで短時間で済ませ、湯上がりには、処方されていた保湿剤をたっぷりと塗りました。爪も、皮膚を傷つけないように、できるだけ短く切りました。夜、寝苦しそうな時には、冷たいタオルで体を優しく拭いてあげたり、保冷剤をガーゼで包んで、かゆみの強い部分を冷やしてあげたりもしました。しかし、子どものかゆみに対する衝動は、親の制止だけではどうにもなりません。掻いてはいけないと分かっていても、掻いてしまう。そして、掻き壊した部分がヒリヒリと痛み、さらに機嫌が悪くなるという悪循環。私も妻も、夜通し息子の体をさすり続け、睡眠不足と疲労でヘトヘトになりました。結局、あまりのかゆみのひどさに、再度小児科を受訪し、抗ヒスタミン薬(かゆみ止めの飲み薬)を追加で処方してもらいました。その薬が効き始めると、ようやく息子は少し落ち着いて眠れるようになり、私たちも安堵のため息をついたことを覚えています。溶連菌の熱や喉の痛みもつらいですが、本人にとっても、そして看病する親にとっても、この絶え間ないかゆみこそが、最も過酷な試練の一つなのだと、身をもって知った経験でした。

  • 寝違えないための枕選びと睡眠環境

    生活

    毎朝のように首の違和感や軽い寝違えに悩まされているとしたら、それは偶然ではなく、あなたが毎晩使っている「枕」に、その根本的な原因が潜んでいる可能性が非常に高いです。枕は、人生の約三分の一を共にする、最も身近な健康器具です。自分に合わない枕を使い続けることは、首の健康を静かに、しかし確実に蝕んでいきます。繰り返す寝違えから解放されるためには、枕選びと睡眠環境を見直すことが、何よりも効果的な予防策となります。枕選びで最も重要なポイントは、「高さ」です。理想的な高さとは、寝た時に、首の骨(頸椎)が、立っている時と同じ、自然なS字カーブを保てる高さのことです。仰向けに寝た場合、顔の傾きが5度前後になるのが目安です。横向きに寝た場合は、首の骨から背骨までが、床と平行に、一直線になる高さが理想です。枕が高すぎると、首が不自然に前に曲がり、気道を圧迫して、いびきの原因にもなります。逆に、低すぎると、頭が心臓より低い位置になり、血が上って寝苦しく感じたり、首が後ろに反りすぎて筋肉に負担がかかったりします。次に重要なのが、「素材」と「硬さ」です。柔らかすぎる枕は、頭が沈み込みすぎてしまい、寝返りが打ちにくくなります。寝返りは、睡眠中に体の同じ部分に負担がかかり続けるのを防ぐための、重要な生理現象です。これが妨げられると、首周りの血行が悪くなり、寝違えのリスクが高まります。適度な硬さと反発力があり、頭をしっかりと支え、スムーズな寝返りをサポートしてくれる素材(例えば、高反発ウレタンやパイプ素材など)を選ぶのが良いでしょう。枕だけでなく、「マットレス」との相性も重要です。柔らかいマットレスに体が沈み込む場合、相対的に枕は高く感じるため、少し低めの枕を選ぶ必要があります。逆に、硬いマットレスの場合は、少し高めの枕がフィットします。自分に合った枕を見つける最善の方法は、実際に寝具店などで試してみることです。専門のピローフィッターに相談し、自分の首のカーブの深さや体格を測定してもらうのも良いでしょう。枕は、決して安い買い物ではありませんが、毎朝の快適な目覚めと、長期的な首の健康への投資だと考えれば、その価値は計り知れないものがあります。