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2025年10月
  • 専門医が語る”!バセドウ病と診療科の選び方

    医療

    「バセドウ病かな?」と感じた時、多くの方が「一体何科を受診すれば良いのだろう」と途方に暮れるかもしれません。甲状腺の疾患は、一般の方には馴染みが薄い分野だからです。専門医としてこの質問に答えるなら、最も適切なのは「内分泌内科」です。内分泌内科は、ホルモン分泌に関わる臓器、特に甲状腺の専門家であり、バセドウ病の診断から治療までを一貫して担当します。バセドウ病は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる自己免疫疾患であり、その診断には専門的な知識と検査が必要です。内分泌内科では、詳細な問診に加え、血液検査による甲状腺ホルモン値(FT3、FT4、TSH)や甲状腺刺激抗体(TRAb、TSAbなど)の測定、そして甲状腺の超音波検査を行います。これらの検査を通じて、バセドウ病の確定診断を行い、病状の程度を正確に評価します。しかし、患者さんが最初に内分泌内科を受診するとは限りません。初期症状として動悸、体重減少、倦怠感などが現れると、一般内科、循環器内科、心療内科などを訪れることもあります。これは、これらの症状が他の病気でも見られるためです。例えば、動悸が主訴であれば循環器内科を受診し、そこで甲状腺機能の異常を指摘され、内分泌内科へ紹介されるケースは少なくありません。私自身も、過去に他の病気で受診した患者さんが、実はバセドウ病だったという経験を何度もしています。もし、一般のクリニックで甲状腺の異常を指摘されたり、バセドウ病の症状に心当たりがある場合は、積極的に内分泌内科の受診を検討してください。また、眼球突出などの眼症状がある場合は、内分泌内科と眼科の連携が必要になることもあります。信頼できる内分泌内科の医師を見つけ、じっくりと相談し、適切な診断と治療を受けることが、健康な生活を取り戻すための鍵となります。