歯の治療を始める際、必ずと言っていいほど最初に行われるのがレントゲン撮影です。歯科におけるレントゲンは、肉眼では見ることのできない歯の根っこの状態や、歯茎の中に埋もれた親指ず、あるいは歯の間の隠れた虫歯を発見するために不可欠なプロセスですが、その値段についても医学的なルールが存在します。歯科のレントゲンには主に、お口全体を一枚で撮影するパノラマ撮影と、特定の数本の歯を詳しく診るデンタル撮影、そしてさらに詳細な立体像を映し出す歯科用CTの三種類があります。多くの患者さんが最初に経験するパノラマ撮影は、診療報酬点数で三百点から四百点程度であり、三割負担であれば千円から千二百円程度の支払額になります。一方、小さなフィルムを口に含んで撮影するデンタル撮影は一回数十点と安価で、特定の場所をピンポイントで確認する際に用いられます。費用を安く抑えるための最も基本的な知恵は、レントゲンの「重複」を避けることです。例えば、短期間に複数の歯科医院を転々とする、いわゆるドクターショッピングを行うと、その都度パノラマ撮影が必要になり、初診料と共に一回あたり数千円の出費が繰り返されることになります。一箇所のかかりつけ医に定着し、過去の画像を蓄積していくことは、医学的な連続性を保つだけでなく経済的にも大きなメリットがあります。また、最近ではデジタル撮影が主流となっており、現像の手間が省かれるだけでなく、従来よりも被曝量が抑えられ、料金体系も透明化されています。自費診療となるインプラント治療や矯正治療の前のシミュレーションとして撮影されるCTは、保険適用外となることが多く、その場合は一万円から三万円程度の値段が設定されることがあるため、事前の確認が必要です。しかし、通常の保険診療内での虫歯治療や歯周病検査としてのレントゲンであれば、その値段は国家的な基準によって守られており、驚くほど高い請求が来ることはまずありません。また、健康診断の際に歯科健診を組み込んでいる自治体や企業もあり、そこで異常が見つかって受診する場合には、最初のスクリーニングとしての役割を果たすため、無駄な撮影を減らせる場合もあります。歯の健康は全身の健康に直結しますが、その入り口となるレントゲン検査の値段を知っておくことは、賢い患者として医療サービスを選択するための重要なステップです。たかが千円程度の差かもしれませんが、納得感を持って治療を受けることが、長期的には歯科疾患の重症化を防ぎ、将来的な高額治療を回避するための最大の節約術となるのです。
歯科医院のレントゲン費用を安く抑えるための知恵