先月のある火曜日の朝、私は激しい咳と微熱に見舞われ、近所の内科クリニックへ足を運びました。問診の後、先生から「肺炎が心配なので、レントゲンを撮っておきましょう」と提案されました。正直なところ、その時の私の頭の中をよぎったのは、病気の不安以上に「今日の手持ちで足りるだろうか」という下世話な心配でした。レントゲンといえば大がかりな機械を使うイメージがあり、一万円くらいは飛んでいくのではないかと身構えていたのです。指示されるままに検査室へ入り、冷たい板に胸を押し当てて息を止めること数分。撮影はあっという間に終わり、診察室に戻るとモニターには私の肺が鮮明に映し出されていました。幸いなことに軽い気管支炎との診断で、重大な疾患は見当たりませんでした。さて、緊張の一瞬であるお会計です。恐る恐る窓口で請求された金額は、診察代とレントゲン代、さらに処方箋の発行まで含めて合計で二千八百円でした。明細書を詳しく読み込んでみると、レントゲン撮影に関する項目は複数ありましたが、三割負担の私にとってその実質的な値段は千円にも満たないものでした。これまでに何度も風邪を引いてきましたが、自分の肺の中をこの目で見せてもらい、専門医から太鼓判を押してもらった安心感の対価としては、驚くほど安いと感じました。かつて、友人が「精密検査で数万円かかった」と言っていたのはMRIやCTの話だったようで、単純なレントゲン撮影であればこれほど手軽に受けられるものなのだと初めて知りました。明細書に書かれていた診療報酬点数という言葉も新鮮でした。全ての処置が数値化されていることで、病院によって値段が不当に変わることがないという安心感もあります。もしあの時、お金が惜しくてレントゲンを断っていたら、私はその後数日間、自分が肺炎ではないかという不安に怯えながら過ごしていたことでしょう。たった千円程度の自己負担で、心の平穏と医学的な根拠に基づいた診断が買えるのであれば、これほど効率的な買い物はありません。今の日本には素晴らしい医療保険制度があり、私たち市民が安価に高度な検査を受けられる環境が整っていることを、窓口で支払いを済ませた瞬間に痛感しました。それ以来、私は身体に少しでも違和感があれば、費用のことを過剰に心配せずに、まずはプロの目を通してもらうよう心がけています。健康は失ってからでは取り返せませんが、それを守るための検査の値段は、私たちが社会の中で支え合っている保険制度のおかげで、十分に手の届く範囲にあるのです。
胸のレントゲンを撮って会計で驚いた私の体験記