急な怪我や不調で病院に行く際、あらかじめ会計の概算を知っておくことは、精神的な余裕を持つために非常に有効です。レントゲン検査が必要になると予想される場合、その値段を自分で見積もるためのいくつかのテクニックがあります。まず、日本の医療費は「基本料」プラス「検査・処置料」という二階建て構造であることを念頭に置いてください。初めてその病院を訪れる場合は、初診料として二百八十八点が加算されます。これは三割負担で約八百六十円です。これに、診察代や相談料が含まれます。メインとなるレントゲン検査の値段は、撮影する部位を数えることで予測できます。一般的に、胸部や腹部、あるいは四肢の一部を一方向、二方向から撮る場合、検査料の点数は三百点程度、三割負担で九百円前後です。つまり、初診料と合わせるとこの時点で約千八百円となります。もし、骨折を疑って手首と肘の二箇所を撮影するならば、点数はさらに上乗せされ、二千五百円から三千円程度の支払いを想定しておくのが安全です。さらに注意したいのが、医師の「読影」に対する手当です。画像診断料として百点程度が加算されることがあるため、これも三百円ほどのプラス要因になります。見積もりの際に見落としがちなのが、大きな病院特有の「選定療養費」です。紹介状なしに二百床以上の病院を受診すると、通常の医療費とは別に五千円から七千円といった高額な追加料金が発生することがあります。これを避けるためには、まずは街の小さなクリニック(診療所)を受診し、そこでレントゲンを撮ってもらうのが最も経済的です。クリニックであっても使用する機器の性能は高く、診断の正確性に大きな差はありません。また、お薬手帳や過去の検査結果を持参することで、不必要な再撮影を防ぐことも賢い節約術です。例えば、一週間前に別の歯科でパノラマレントゲンを撮ったばかりであれば、それを伝えることで、診察がスムーズになり無駄な費用を抑えられる可能性があります。まとめると、初診でレントゲンを一枚撮るなら「三千円程度」、再診であれば「千五百円程度」を標準的な値段として見積もっておけば、多くのケースで会計時に慌てることはありません。もちろん、夜間や休日、あるいは深夜の救急受診であれば、時間外加算という特別な点数が数百円から数千円単位で上乗せされるため、その分を予備費として考えておく必要があります。医療費の明細を予測できるようになると、自分の受けている医療の価値を客観的に測れるようになり、医師とのコミュニケーションもより具体的なものへと変化していくはずです。
通院前に確認したいレントゲン検査の概算費用見積もり術