医療機関の受付カウンターに立っていると、毎日多くの方からコロナ検査費用に関する切実な、時には怒りを伴うような質問をいただきます。最も多いのは「以前は無料だったのに、なぜ今日はお金がかかるのか」という戸惑いの声です。私たちは、日本の感染症対策のステージが公費による全面支援から、個人の健康保険による互助へと移り変わったことを繰り返し説明しますが、体調が悪い中でお財布を気にしなければならない患者さんの気持ちも痛いほど理解できます。窓口でのコロナ検査費用を巡るトラブルを防ぐために私たちが常に伝えているのは、保険が効くかどうかは「受付に来た瞬間」ではなく「医師の診察の結果」で決まるという真実です。例えば、ご家族が陽性で、ご自身も不安だからと検査を希望される方がいますが、その時点で本人に何の症状もなければ、それは「予防」や「安心のため」の行為とみなされ、保険は適用されません。私たちはその可能性を事前に説明しますが、一部の方は「少し喉が痛いような気がしてきた」と症状を修正されることもあります。しかし、医学的な判断は厳格であり、安易な保険適用は医療費の不正請求に繋がる恐れがあるため、私たちは非常に慎重な対応を迫られます。また、コロナ検査費用には、検査キットそのものの代金だけでなく、それを扱うスタッフの危険手当や、診察室を消毒し、他の患者さんと動線を分けるための「感染防止対策」のコストも暗に含まれています。それらを目に見える形で点数化しているのが今の医療制度なのです。患者さんの中には、数百円の差を気にされる方もいますが、病院の規模や夜間・早朝の受診時間帯によって、基本料に加算がつくため、全国どこでも一円単位で同じというわけにはいきません。私たち受付スタッフの役割は、単にお金を受け取ることではなく、コロナ検査費用という数字の向こう側にある「医療の質と公平性」を納得していただくための橋渡しをすることだと考えています。もし費用に不安がある場合は、受付で保険証を提示する際に「三割負担だと概算でいくらくらいになりますか」と率直に尋ねてください。私たちは、患者さんが安心して治療に専念できるよう、可能な限り透明性の高い情報を提供し、会計時の不安を取り除く努力を続けています。コロナ検査費用は、今の私たちが享受している安全な社会を維持するための、社会全体で分かち合うコストの一部なのです。
受付スタッフが語るコロナ検査費用の誤解と真実